やっぱり、ラテンポップはバラードに帰結する、ルイス・フォンシの「EXITOS 98:06」
Exitos: 98:06
Exitos: 98:06
Luis Fonsi

2006年にリリースされた、ルイス・フォンシ(Luis Fonsi)の「EXITOS 98:06」(翌年デラックスエディションリリース)。ここには、デビューアルバム「Comenzare(1998)」から「Paso a paso(2005)」まで、5枚のスペイン語アルバムから選りすぐった11曲と、未発表作品2曲が収められている。特に2003年までのヒット曲については、ほぼ全てを網羅していると言ってもよい。唯一の英語盤「Fight the feeling(2002)」の曲が全く収録されていないことも、むしろ潔いと評価できるだろう。プロデュースはレベルデ(RBD)やラ・キンタ・エスタシオン(La 5a estacion)を手がけたアルマンド・アビラが担当した。

さて、ここに収められたフォンシの伸びのある美しいボイスで語られるバラードの数々を聞くと、つくづくラテンポップは、バラードに帰結するのだと思わずにいられない。特にフォンシの場合、短調のスローからわずかにテンポが早いバラードで、かつサビの感情的な盛り上がりがとても劇的であるような曲において、彼の長所を一番生かすことができるように思える。例えば、3曲目の「Nada es para siempre」や、5曲目の「Me matas」のようなスタイルの曲である。もちろん、「 Quisiera poder olvidarme de ti」のようなスローのラテン定番バラードも、それなりに彼の世界に浸れて良いと思うのは事実だ。

ただ、このジャンルは数多くの同郷人や他国のライバルがしのぎを削るラテンポップの主戦場とも言え、彼の魅力を100%引き出せる上述のようなスタイルで勝負する必要があるのだろうと感じる。
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オススメCD | 08:47 | author : 4391
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ロンドン生まれ、ベネズエラで育まれた都会のサウンドをあなたに、ヘレミアス
Un Dia Mas en el Gran Circo
Un Dia Mas en el Gran Circo
Jeremias

今日紹介するのは、美しい緑の眼が印象的なヘレミアス(Jeremias)。ベネズエラ人の両親を持つ、ロンドン生まれのシンガーソングライターだ。英国出身ながら「英語なのはパスポートだけ」と語るとおり、ラテンアメリカをこよなく愛し人生の大半をベネズエラで過ごしている。

彼は、2000年にアビラ・レコードというレーベルを自ら設立し、2003年にデビューアルバム「Jeremias」をリリースした。これはスペイン、エクアドル、プエルトリコ、ベネズエラで販売され、それなりの実績を挙げることに成功した。その後、この才能に大手レーベルのユニバーサルが注目し彼と契約、2006年2月にアルバム「Ese que va por ahi」を発表した。様々なリズムや、スタイルの音楽をミックスさせた彼のサウンドは、新鮮な音楽を求めていた若者たちのニーズにフィットし、ベネズエラ国内でゴールドディスクに認定される成果を収めた。

ファーストシングル「Uno y uno es igual a tras」のビデオクリップは、フアネス(Juanes)やシャキラ(Shakira)の作品を手がけたこともあるグスタボ・ガルソン(Gustavo Garzon)が制作を担当した。車中で口づけをかわすカップルの前に、突然「オフィシャルな彼女」が立ちはだかり、フロントガラスを粉々に打ち砕くというインパクトのある映像がファンを沸かせた。この成功によって、ヘレミアスはビルボード誌の2006年「人気急上昇中のタレント」にラテン系アーチストの中で唯一選ばれることになる。
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注目アーチスト情報 | 21:22 | author : 4391
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最大の売りはルックス?ではなくて透明感のある音楽、イミグランテスのデビューアルバム「Turistas en el paraiso」

Turistas En El Paraiso
Inmigrantes

デビュー直後からラテンアメリカ諸国や、スペインでも注目の的になっているのが、アルゼンチンのイミグランテス(Inmigrantes)だ。カルロス(Carlos)とパブロ(Pablo)という双子の兄弟によって結成されたこのグループは、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどの音楽に影響を受けて16歳頃からブエノス・アイレスのバーでライブを行うようになり、やがてメキシコ出身のプロデューサー、エットーレ・グレンシー(Ettore Grenci)の目に留まった。そして彼らは2000年にデビューし、早速同年MTVラテンにて南米最優秀新人を受賞、さらにアルゼンチンのクラリン賞やガーデル賞、スペインのプリンシパル賞にもノミネートされた。今日はこの快挙のきっかけとなったデビューアルバム「Turistas en el paraiso」を紹介したい。

収録全12曲は、いくつかの例外を除いてカルロスとパブロが作曲した。プロデュースは、エットーレ・グレンシー、ディレクターはアルゼンチンの作曲家アフォ・ベルデ(Afo Verde)が担当した。アルバムから最初に流れてくるのは、シングルカットもされた「Grafitti」。ビートの良く効いたロック・ポップだ。こうしたスタイルの曲はデビューシングル「Golpe de suerte」や、ギターのエフェクトを一杯に効かせた「Nuevo trip」など数曲ある。特にシングルカットされた2曲がこうした路線なので、一見彼らの音楽はミドルからアップテンポのロック・ポップだと紹介してしまいそうだ。
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オススメCD | 23:51 | author : 4391
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美しく切ないカリブの音楽よ再び、ホルヘ・ビジャミサル
jorge
Jorge Villamizar
Jorge Villamizar

ファンに惜しまれつつ昨年解散したマイアミの人気ポップ・バンド、バシロス(Bacilos)。そのリーダー、ホルヘ・ビジャミサル(Jorge Villamizar)がソロアルバムをリリースするという嬉しいニュースが発表された。

ホルヘは1971年コロンビア生まれ。10歳のときにエクアドルに移住して18歳でコロンビアに戻った後、ロンドンに留学。その後1993年以降マイアミに住むようになり、現在に至っている。彼の音楽はビートルズの他アンデスのフォーク音楽にも影響を受けているというが、14歳にしてソーダ・ステレオ(Soda Stereo)エクアドル公演の前座を務め、ロンドン留学時も休日に地下鉄や路上で演奏していたところパーカッショニスト、ロビン・ジョーンズの目に留まり、バンドに招待されるなど、その才能は早くから花開いていた。こうしたキャリアを経て、マイアミでバシロスを結成したのである。

デビューアルバムは「Bacilos」だが、彼らがスターダムを駆け上る原動力となったのはセカンドアルバム「Caraluna」であった。これはグラミー・ラテン、およびグラミーの最優秀ラテン・ポップアルバムを受賞するヒット作となった。しかしサードアルバム「Sinverguenza」をリリースした後彼らはバンド解散を決定し、2007ビーニャ・デル・マルに集まった聴衆に対して別れを告げたのである。
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注目アーチスト情報 | 21:15 | author : 4391
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『失われたもの』への郷愁が心に伝わる、グロリア・エステファン「90マイル」

90マイル
グロリア・エステファン

キューバでは、今週、ラウル・カストロがフィデルの後継者として新国家評議会議長に選任された。一方で、1956年の革命時の混乱期に亡命した多くの人々は、故郷の土を踏むことなく現在もアメリカで暮らしている。彼らにとっての反革命のシンボルとも言える存在が、先週開催されたロ・ヌエストロ授賞式にプレゼンテーターとして出演したグロリア・エステファン(Gloria Estefan)だろう。

最新アルバムのタイトル「90マイル(2005)」とは、キューバとフロリダ・キーウエストの間の距離である。このタイトルが象徴的に示しているように、これはキューバ音楽や文化、ラテン音楽に対するトリビュート作品となっている。全14曲が収録されているが、いずれも典型的なキューバ・トロピカル音楽。かなりクラシカルなアレンジが施されているのが特徴的だが、二度と戻らない過去に対する郷愁の演出として極めて効果的だ。

グロリアの歌声には威厳と風格が漂い、彼女の凛とした強さが伝わってくる。強いて言えば、後半2曲の力強さが前半を圧倒しているような印象を受けるが、いずれにしても、全曲聴き応えは十分、素晴らしい完成度だ。普段はこうした典型的でクラシカルなトロピカル音楽は聞かない僕なのだが、曲に込められたパッションは理屈でなく、直接体や心にひしひしと伝わってくる。
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注目アーチスト情報 | 15:35 | author : 4391
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主を失った巨象なんて言わせない、新たな挑戦を開始したエレファンテ
eletante
Elefante Exitos
Elefante

メキシコのエレファンテ(Elefante)と言うと、大勢の見方は「一時代を博した過去のグループ」というものだろう。オリジナルのメンバーは、ボーカルのレイリ(Reyli)を筆頭に、Ahis-Flais(キーボード&ギター)、Gordito Tracks(ベース)、Iguana(ドラムス)とRafa(エレキギター)の5人であった。

彼らが2001年にアルバム「El que busca encuentra」でデビューするや否や、覚えやすいバンド名と新鮮なサウンドに人々はたちまち心を奪われた。

「De la noche a la manana」「Asi es la vida」などが爆発的にヒットし、中でも「Asi es la vida」は国民的ソングと形容できるくらい人々の間で親しまれるようになった。翌2002年8月には「Lo Que Andabamos Buscando」をリリースし、この年のプレミオ・オジェ!で最優秀ソロ・グループを受賞した。
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注目アーチスト情報 | 09:46 | author : 4391
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タイトルがキーフレーズ、レイリがソロで魅せてくれるアルバム「Fe」

fe
Fe(フェ)
Reyli

さて、先週はメキシコのエレファンテ(Elefante)を紹介したのだが、それでは離脱した元ボーカルのレイリ・バルバ(Reyli Barba)はその後どうなっているだろうか。それを知る手がかりとして、2007年4月に発売された彼の最新アルバム「Fe」を紹介したい。

そもそも「Fe(フェ)」という言葉を日本語で表現するのは非常に難しい。何者かに対する信頼や信用のことなのだが、正確にはどちらかというと宗教上の信仰という概念に近い。このアルバムでは、メキシコのチアパス州で生まれて2000年代初頭にエレファンテによって一世を風靡した彼が、「フェ」をテーマに歌った13曲が収められている。その多くが、スローからミドルテンポの成熟したサウンドによって成り立っているのが特徴的だ。

全体のイメージは、1曲目の「Todos caben」を聴くだけでおおまかに把握することができるだろう。このミドルテンポのオルタナティブは、これから始まるアルバムの構成や印象を予言してくれている。さらに9曲目「No me hace falta nada mas 」と、12曲目「Llueve Y llueve 」によってこのイメージが強調される。いずれも導入部のアコースティック・ギターのソロがたっぷりと大人の魅力を感じさせるミドルテンポの静かな曲である。このような成熟したサウンドは、レイリがソロだからこそ実現できたと確信させてくれる。
ニキビケア

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インパクトのあるサウンドとボイスが魅力的、スペインの兄弟デュオ「エストパ」


Allenrok
Estopa

久しくスペインのアーチストを扱っていなかったので、新アルバムをリリースしたばかりのエストパ(Estopa)を紹介することにしよう。

エストパは、ダビ (David Munoz、リード・ボーカル)と、ホセ (Jose Munoz、ギター・ボーカル)兄弟により生まれたグループだ。グループ名の由来は彼らが働いていたSEATの下請工場で、上長が生産性向上のために、しばしば叫んでいた「Daddle estopa!」というフレーズにある。音楽好きなこの兄弟は当初ルンバで知られるロス・チチョスの歌をカヴァーしていたが、やがてオリジナル曲を作るようになっていった。実際デビューアルバムに収録された8曲は、この時代に生み出されたものだ。

1996年にアルバム「Estopa」と、シングル「Suma y sigue」で、エストパはデビューした。最初の週はわずか15000枚の売上であったが、スペイン全土に渡るライブツアーのおかげで、知名度と人気が上昇。セカンドシングル「La raja de tu falda」のヒットも手伝い、最終的には100万枚以上のセールスを記録した。こうして彼らは2000年アミーゴ賞の新人賞、及び最優秀スペイングループ賞、オンダス賞の新人賞を獲得した。
パーフェクトワン

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注目アーチスト情報 | 15:09 | author : 4391
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洗練された新しいタイプのラテン・ロックで世界デビューできるかに注目、MOTEL(モーテル)
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Motel

今日紹介する「MOTEL」、もちろん休憩したり宿泊したりするアレではない。2000年初頭にメキシコ・シティで結成され、現在人気急上昇中のポップ・ロックグループのことである。

著名なプロデューサーの息子ビリー・メンデス(Billy Mendez、コンポーザー)と、クラシック音楽を学んだロドリゴ・ダビラ(Rodrigo Davila、ボーカル&コンポーザー)の2人は、当初自分たちで楽しめる音楽をやろうとMOTELを結成した。

やがてデュオとしてバーなどで歌を披露するようになり、聴衆の反響に手ごたえを感じた彼らは、このプロジェクトを次のステップへと移行させることにした。実力ある若手ミュージシャンとしてベニー・イバラのバックバンドなどで活躍していたペペ・ダミアン(Pepe Damian、ドラム)とルベン・プエンテ(Ruben Puente、ベース)をグループに招聘したのである。こうして現在のバンドが完成し、アルバム「MOTEL(2006)」でデビューを果たした。

ファーストシングル「Dime ven」のビデオがMTVで放映されるや否や、たちまちメキシコの若者は彼らに注目した。そしてこの年のプレミオ・オジェでは年間最優秀新人、スペイン語ロックシンガー/グループを受賞し、グラミー・ラテンにおいても最優秀シングル、最優秀アルバム(ソロ/グループ)にノミネートされたのである。
ライスフォース
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注目アーチスト情報 | 21:26 | author : 4391
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優れたできばえに思わず唸り声、アンドレス・カラマロ「La lengua popular」

andres
La Lengua Popular
Andres Calamaro

そのビジュアル的なインパクトから、思わず『異色の』シンガーと紹介したくなるアルゼンチンのアンドレス・カラマロ(Andres Calamaro)。その最新アルバムは、「La lengua popular」だ。

まず、アルバムのジャケットに目が引かれる。Liniersというペンネームで知られる、アルゼンチンの若き漫画家リカルド・シリ(Ricardo Siri)によるこのデザインは、とてもユニークで面白い。舌を突き出す人々? のようなものがひしめく様は、さながらメキシコのオアハカ地方にある民芸品店の店先だ。

また、無限の解釈の余地を残したタイトルが実に魅力的である。Lenguaは「舌」「言語」「表現」、またPopularも「流行」「民衆」「通俗」など多様な意味を持つ単語であり、2つを組み合わせたこのタイトルが何を暗示するかについては、表現しつくせないくらい多くの可能性を持っている。

さらに、カチョロ・ロペス(Cachorro Lopez)がプロデュースを手がけたことで、その完成度に対する期待がぐっと高まった。というのも彼はこれまでに数多くの一流アーチストの作品を手がけており、フリエタ・ベネガス「Sal y limon」では2001年グラミー・ラテン(最優秀プロデューサー)を受賞した実力派なのだ。これほどの好条件に恵まれたアルバムが魅力的でないはずがない。
ビーグレン

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